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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第196号       ’04−04−09★

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     普段が大切

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●亡くなった少年を悼み

 

ご遺族にご同情申し上げること私も吝かでないが、それは詳しい状況が

分かって来てからのこと。 初め、(東京新聞)3月27日朝刊第1面

トップ、「回転扉に挟まれ男児死亡」の白抜き文字が目に入った時は

 

<ジャリ大嫌いオヤジ>の心境、「言わんこっちゃない」。 連れ歩く

我が子に勝手な行動を許さなかった私の独断第一感、これは親の問題!

 

 

常識的には<ヒルズ>、子供が行きたがるような場所じゃなし、まして

遠い大阪の僅か6才、<六本木>を知るわけもあるまい。 訪れたのは

多分新しい観光名所への親の関心、物見高さゆえ。 その親、事故直前

どこ見てた? 子ではなかった、はず。

 

1面記事の「、、母親と手をつないで歩いていたが、扉の直前で閉まり

かけた回転扉に一人で入ろうとして、頭を挟まれた。」は親の陳述か?

「手をつないで」「一人で入ろうと」するなんてこと、出来ますかね?

 

果たして翌日31面には、「、、防犯カメラには、、扉が閉まる直前に

駆け込み防止のさく(これが何故<柵>ではいけないのかね?)の脇を

すり抜け、小走りで扉の中に入ろうとし、頭を挟まれる姿が、、」。

 

論より証拠、少年が<無管理>状態だったことは間違いない。

 

*   *

 

子供は突発的に動きがちなもの。 それだけに親は普段から色々な想定

のもと、子と会話を重ねておくことがゼッタイ必要です。 言えば必ず

良くなる、とは限らないが、言っておけば良かった、よりマシ。

 

そのための題材はいくらもある。 TVが次々<反面教師>を提供して

くれますからな。 どうせ他人、自分のことは棚に上げてコキおろそう。

「ああいうのは周りに迷惑。 良くないねえ」とか、

 

マトモなオトナはこう感じる、こう考える、こうする、を語り、彼らの

反応を確かめ、必要なら議論して認識共有化を図っておくべき。 その

下地があれば外へ出ても「な、言ったろ? だから、、 」、一発です。

 

ローマは一日にして成らず、普段が大切。

 

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●<ヒルズ>の管理会社は

 

天下の<森ビル>。 たまたま往年の我が相棒N氏は新橋で商売を営む

こと長く、<ビル>以前の初代森氏を存じ上げていた。 彼に聞かされ、

その誠実なお人柄については私もいくらか知ったつもりだったが、、

 

代が替わって、か、人は世につれ、か、この事件で明かされて来る姿は

<商業主義の弊害>的。 基本的な何かが失われてしまっているようで、

芝っ子の一人としてまことに残念。

 

 

27日の記事には、「、、昨年十一月と十二月に回転扉、、事故が二件

相次いでいたが、、届けていなかった」。 届け出るべきものなら罰則

もあるだろう、そこまで書いて欲しいものだがともかく、

 

26日夜の記者会見では殊勝らしく「道義的な責任を痛感、、ご遺族に

は最大限の誠意で対応、、」とし、「、、十二月に起きた二度目の事故

後、、仮設のバリケードを、、置くなどの対策を取った」、が「恒久的

な安全対策を検討中に事故が起きてしまった」とも言った由。 しかし、

 

3ヶ月経って未だ<検討中>とは真剣に取り組んでない証拠、、死者が

出てから<痛感>する悠長さでは、そう疑われても仕方ない。 だから

普段が大切、森さん、よほど今後の<対応>で挽回しないと、、

 

*   *

 

しかし回転ドア、あんなものでどうしたら人が殺せる? 不思議がった

のは我が常識の古さゆえ。 それを翌28日の記事で思い知りました。

 

「、、動いている扉部分の重量は、、約2.7トン、、事故当時、、扉は、、

1分間 3.2回の速度で回転していた。、、そのままの速度で、、、人が

挟まれると、、扉には約795キロの圧力が加わる計算」、約1トン!

 

しかも、30日の記事によると、この扉<シノレス>はバリアフリーの

特殊品、他機種には標準装備の安全機能がこれには省かれていた、由。

 

即ち<標準>は、万一人が挟まった場合「、、瞬時に扉が逆向きに折り

畳まれ、挟まれた人が解放される、、」構造だが、<シノレス>の扉は

固定的で、畳まれない、人を解放しない構造。

 

だから<決して人を挟まない>ための安全装置が必要。 介在物を早く

見付け、挟みつける前に自動的に扉の回転を停止させるような、、

 

*   *   *

 

で、<センサー>。 <挟みつける>部分の天井に下向きのを取り付け、

床上80cmを超えるものを感知させ、扉の回転を止める、はずだった。

 

ところが昨年6月、オープンから僅か2ヶ月後すでに、当時4才の男児

が頭を挟まれる事故が発生。 今に至って聞くその母親の話、「回転扉

は止まらなかった。 警備員は、身長の低い子供には

 

センサーが機能しない、と言っていた」。 この扉の危険性、内部では

周知の事実だった模様。 <止まらなかった>のは介在物を水平方向で

検出するセンサーの能力が壁から20cmに止まり、それが機能したと

しても扉の完全停止にはさらに25cmを要する性能だったから。

 

にも拘わらず森ビルは、「取扱説明書には<直ちに停止する>とあった。

25cmも動くとは知らなかった」。 おいおい<管理>会社、回転扉

設置後の立ち会い検収、しなかったのかね? 

 

*   *   *   *

 

この程度の安全意識だから、前記「、、仮設バリケード、、の対策」と

いうのもお座なり。 「高さ約1メートルのポール2本に帯を渡した」

だけ、しかもその<帯>が風に靡くのをセンサーが感じてしまい、

 

回転扉が止まること頻々、、 で、メーカー<三和>は<地上80cm

から>の設定を<120cmから>(実際はそれよりも緩い130cm

以上だったが)に改めなどしたが、どれも森ビルのメンテナンス委託先

<丸誠>の要求と了承によるものだった、

 

と<三和>は言い、<森>はそれも知らなかったと言う。 本当のこと

は<藪の中>、分からない。 だが事態が着々<安全>からかけ離れる

方向へ動き続けたことは容易に分かる。 

 

  大衆との接点では<フェイルセーフ的安全>は MUST。 理論的には

  OKでも、色々な状況を想定して実験を重ね、技術資料や各担当者

  間の確認資料、すべて整理・保存しておく慎重さが必要。

 

   往年、サーモ屋ではそれが<普段>、それを大切に、してました。

 

  とかく部署の担当者は<部分の最適化>に走りがち。 だが、それ

  を先行させてしまうと<全体的不調和>が生じる。 だから、初め

  に<全体としてのあるべき姿>を定め、それに沿って各自<部分の

  最適化>を工夫すべき、、

 

  は技法講師のトーク。 森ビルさん、お手伝いします、ご一報あれ。

 

<丸投げ>して確かめもしない、では<管理>になりません。 アウト

ソースできるのは<作業>、結果責任や説明責任は委託側が果たすべき

もの、「知らなかった」で済まされぬ。 それだけに、普段が大切、、

 

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●<三和>の記者会見も不手際

 

の連続でした。 事故当日の会見では「全く無い」とした<センサーの

死角>が、翌日の会見では「ある」に反転。 しかも昨年12月の事故

報告を「した」、「受けてない」、幹部同士不一致発言。

 

これじゃほかにもゾロゾロ出てくるぞ、ハインリッヒの法則(第36号

既述)▼は不滅だからな、、の予感は的中。 たちまち「六本木ヒルズ

開業以来 回転扉で過去32事故」の見出し。 おお、ピッタリ!

 

  ▼労働災害統計から得た結論、「死亡・重傷事故1件発生の背景に

   29件もの軽傷事故、その背景に300もの無傷事故がある」。

   いわば「普段を大切にしないと、、」の教訓。

 

だったら<300>も当たるさ。 <森>、<丸誠>、<三和タジマ>、

<三和>、各社内それぞれに、そして各社間の連絡に、この回転扉関連

約300もの不手際があり得た、、前記もその氷山の一角。

 

当然<それぞれ>の主張は食い違い、刑事的追及の必要から30日午前、

警察は7カ所を家宅捜索。 <一流会社>の現実がそんなとは哀しいが、

だからこそ「普段が大切」なんだよ、諸君。

 

 

しかし「××とハサミは使いよう」、同種回転扉を使って無事故、の例

(即ちPAで言う IS NOT)もありました。 4月4日TBSサンデー

モーニング、阿佐ヶ谷の河北病院。 その回転扉、

 

構造は<三和>製と同じ2枚羽根だが回転速度が違う。 ヒルズの半分

以下、毎分2回転。 センサーの設定も。 河北病院のは地上50cm

からだし、近接センサーは15cmで感知して減速、5cm手前で停止。

 

メーカーや管理者が違う、とそのように出来るのだから、ヒルズがそう

しなかったのはやはり怠慢。 今回の死亡事故以来、アチコチの回転扉

使用自粛や点検実施が伝えられているが、所詮どれも応急対策。

 

この病院のように、「患者が対象、冷風遮断は必須。 待合室が入り口

に近く、以前の二重ドアは出入り頻繁だと殆ど開け放しだった、」から

是非とも回転扉、、となったら抜本的安全対策を講じるほか無い。

 

で、マジメに抜本策を実行した結果、これまで7年間無事故。 不具合

への対処、飽くなき可能性の追求、それを<マネジメント>と言う、、

 

*   *

 

都が8年前に策定したマニュアルで回転扉は、「、、危険が伴いやすい。

それ以外の形式の扉を併設する」とされ、4年前の改訂で設置は避ける

べきものとまで。 だから福祉局は、ヒルズ事故は「回転扉の管理者が

安全対策を怠ったことが原因だと思う」由。 (東京新聞4月3日)

 

<働かない>タイプの人にまで<怠った>と言われるヒルズ、いったい

どんな MUST、WANT で<避けるべき>回転扉を敢えて用いたのか?

 

森社長の一声で、、という説もあるが、それならPPAで<起こり得る

諸問題>を描き出し、予め万全に手を打っておくべきだった、、 即ち、

 

技法的に考え、着々実行することで<300>は遙かに少なく出来たし、

そうすれば<29>も未然に防げ、<1>には至らずに済んだろう、、

 

*   *   *

 

国が基準を作れば安全になる? ご冗談を。 改めるべきは、大問題が

起きてから初めて対処する、という安全ボケ<体質>。 それが怠慢や

隠蔽、ゴマカシやその場しのぎのもと、、

 

同時進行中の<三菱フソウ車輪脱落事故>や各地<公園遊具事故>にも

共通です。 どうやら<普段>を<大切>にしないのが<日本人>、、

 

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親と子、普段の対話が大切。 職場リーダーと部下も、普段から、いや

<不断の>論議で認識を共有していなくては、、しかしリストラで手薄、

時間的余裕などありはしない。 技法活用で補わなきゃ追い付かない、、

 

即ち Rational Process は、<普段が大切>促進のツール!

                          ■竹島元一■

 

   ■今週の<私の写真集から>は ★塔頂のダイアナ★

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